実録!facebookを乗っ取られ、奪還するまでの軌跡。

エイプリルフールの余韻すら残らない4月4日の夕方、

プログラマーのM本さんから僕のスマホに第一報が届いた。

「Yさん、乗っ取られてますよ、facebook!」

その、春の眠気もぶっ飛ぶ

デンジャラスな報告を皮切りに

スマホの着信コールが止まらなくなった。

どうやらfacebookの「友達」の方々へ

Messengerを通じてメッセージが送りつけられているようで、

その内容というのが、以下の通り。


元気かい?私の携帯電話は一度壊れまして

そちらの携帯で検証コードメッセージを

受け取ってくれる?

携帯番号教えて


そのあまりに僕らしからぬ文体と

聞き慣れない「検証コードメッセージ」というワードに

「なりすましだろコレ」と感づいた友達の方々が、

電話で僕に教えてくれているのだ。

皆の優しさにホロリである。

中には何年かぶりに会話する人もいて

お〜、久しぶりやんか。

facebookやろ、まいったわ〜がははは〜今度飲み行く?

なんて余裕たっぷりで電話対応する僕。

この時点では

「めんどくせえ事になったな〜」程度の

危機感だったが

電話報告7人目となるI氏の

「オレ咄嗟に電話番号送信してしもうた」

との被害報告で、事の深刻さが一気に増した。

ここからは兎にも角にも

「facebook乗っ取られました。要求はスルーして下さい!」

のアナウンスをしないといけない訳だが

そのアナウンスもfacebookアカウントを奪還しないと

始まらない。

じつはこの時、「友達」繋がりの方々に

僕が乗っ取られている事を

投稿し拡散してもらえば良かったのだが

この時はそこまで頭が回らなかった。


CHECK1

乗っ取られたらまずは自分の代わりに

「友達」に事情を投稿してもらう。

そしてシェアしてある程度拡散しよう。


とはいえ「乗っ取られている」という

状態がいまいち理解できてない。

なにぶん、初めての経験な訳で・・・。

状況把握に取りかかるため、

とりあえずPCからfacebookへ。

ログインするためパスワードを打ち込むが

facebookは「パスワードが違う」と反応。

まあこれは想定内。

つまり、乗っ取られるという状態は

パスワードが何者かによって変更されて

ログイン出来ない状態なんだね。ふむふむ。

そこでfacebook側からの救済措置の一つ

「パスワードを忘れた場合」をクリックしてみた。

すると

このようなダイヤログが出てきた。

奪還01

なんでもパスワードを再設定するためには

「6桁のコード」が必要で

そのコードがアカウント取得時に登録していた

メルアドに送信されるという仕組みらしい。

迷わずクリックして

メールの到着を待った。

まあ、パスワードを再変更すれば

乗っ取り犯からアカウントを奪取できるわけで、

夕飯前には問題解決ですな!と高をくくっていると

いつまで経っても6桁のコードが届かない。

facebookさ〜ん。反応遅く無いっすか?

30秒、1分、3分が経過し

イヤ〜な思いが頭をよぎった。

「・・・まさか・・ひょっとして・・」

スマホからGmailを使って

当該メルアドに送信してみる。・・・受信しない!

てか、24時間ひっきりなしに

何かしら受信しているメルアドが

facebookを乗っ取られて以降

迷惑メールも含めて1件も受信してないぞ。

そんな事ってあるか?

おそるおそる当該メルアドから

空メールをGmailに送信しようとすると

パスワードが違うとの反応。ま、マジか!!

つまり、facebookだけで無く、

連絡網として登録していた

メルアドも乗っ取られていたのだ。

パスワードを変更されているので

当然受信も送信もできない。

これではfacebook運営側から送信される

「6桁のコード」を受信できない・・・。

実はfacebookにはメルアドの他に

携帯電話番号を連絡網として登録するという方法もある。

これならパスワードなんて無縁の

SMS(いわゆるショートメール)で

受け取ることもできる。

登録箇所はキッチリ埋めたい僕の事だから、

メルアドだけでなく携帯電話番号も

しっかり登録してたはずなんだけど

不思議なことにダイヤログにあるボタンが

クリックできない。うーむ?

奪還02

とにかく

「facebook乗っ取られ」も困ったもんが、

仕事の連絡をメインとして使ってる

「メルアド乗っ取られ」はもっと深刻。

ちなみに僕が仕事で使っている

連絡手段の依存率が大体次のような状況です。

奪還グラフ

仕事に関する連絡網の内

40%寸断されている状況は結構不安だ。

そしてこの時点で時刻は18:00。

第一報からすでに2時間経過していた。

オロオロするばかりでほとんど何も解決できてないが

日常ルーティーンをクリアするため

いそいそと夕食・入浴を済ませる。

2時間後、

まずは何か解決方法は無いかと、

PCを使って救済情報を検索し始めるも

なんだか的を射ない情報ばかり。

すこーしイライラし始めた矢先、

乗っ取られたメルアドの迷惑メールボックスに

facebookセキュリティーチームから送信された

3通のメールがあることに気付いた。

慌てて迷惑メールボックスから救済し、確認。

受信時間を見ると

実にプログラマーのM本さんからの第一報の8分前!!

これによると

東京は新宿にお住まいの何某が

あんたのアカウントのパスワード変えましたよ。

身に覚えが無かったら安全確保してね。

という慈愛に満ちたメールだった。

奪還03

このメール受信後すかさず

「アカウントの安全を確保」をクリックしておけば

僕のfacebookが乗っ取られるコトは無かったのだろう。

facebookからのメールを

迷惑メール設定していたコトが悔やまれる。

でも、まあ、受信ボックスにあったとしても

見ないか、いちいち。

そして残りの2通は、

やはりfacebookセキュリティーチームからで、

まず僕の携帯電話番号がfacebookアカウントから

削除されたという連絡。

なるほど、これでパスワード再設定ダイヤログでの

スマホのボタンが押せなかったのか。

奪還04

そしてfacebookアカウントからメルアドも削除される。

奪還05

これらの情報を元に考察すると、

  1. まずはfacebookが乗っ取られ

  2. 携帯番号とメルアドをアカウントから抹消され

  3. その後メルアドが乗っ取られた

ということだろう。

まあ、facebookもメルアドも

どっちも同じパスワード使い回しだったから

乗っ取りも楽だったでしょうね、新宿の何某よ。


CHECK2

同一パスワードの使い回しは超危険です!


まあ、何はともあれ

facebookを奪還するにはまず当該メルアドの復旧が必須。

引き続きネットで色々調べていると

メルアドに関しては

比較的簡単に復旧できることが分かった。

この乗っ取られたメルアドは

大手プロバイダ「OCN」から取得したモノなのだが

どうやらOCNでは、コールセンターで

お客様番号と本人確認(住所や氏名)が照会できれば

割と簡単にパスワードの変更申請ができるらしい。

プロバイダのメルアドなんて非効率だと内心思っていたが

いやはや、使い続けて良かった。

無料フリーメールならこうはいかないだろう。

コールセンターなんて無いだろうし。

で、早速、OCNコールセンターに電話すると

〜当社の営業時間は10:00から

21:00までとなっております〜

と、つれないアナウンス。

実はこの時点で22:00を経過。

ええ〜い、のんびりメシ食ってる場合じゃ無かった!!

残念だが、メルアド復旧は明日に持ち越しとなった。

では、メルアド復旧せずとも

facebookを奪還できないかと色々調べてみる。

facebookのログインページの中に

何かヒントは無いかと手当たり次第にクリックしていくと、

こんなダイヤログに行き着いた。

奪還06

さらにこれを進んでいくと

写真入りの身分証(免許証かマイナンバカードなど)を

アップロードせよ。という指令に辿り着く。

奪還07

ええ〜? ホントに?

オレオレ詐欺の追銭手口みたいで怖いんですけど!

しかし調べるとどうやら正式な手順。

だからと言って免許証をアップロードするというのは、

正直かなり勇気がいる。う〜ん・・・。

2分ほど悩んだあげく、

「ええい!いってまえ!」と免許証をスキャン。

指示通り、顔と氏名と生年月日以外を黒で塗りつぶして

アップロード!

奪還08

少し待つと、上記アップロード作業の途中で

新たに登録した別メルアドに

Facebookコミュニティオペレーションなる組織から

一通のメールが来た。

かいつまむと、

「情報を確認できるまで今しばらくお待ちください。」

とのこと。

へ?すぐ対応してくれないの?

ふと、時計を見ると真夜中の1:25。

どのみちこれ以上、打つ手が無いので

messengerで繋がっている「友達」の皆さんには

大変申し訳ないが、続きの作業は翌日から始めることとなった。

翌9:00。

免許証をアップロードした

Facebookコミュニティオペレーションからの

回答はまだ無し。

では、メルアドの復旧を優先しましょう。

10:00になるのを待ってOCNのコールセンターに電話。

「乗っ取られまして、パスワード変えたいんです」

と軽く説明。そこからはコールセンターのスタッフに

手順を教わりながらOCNのサイト上で、

さささっと新たなパスワードを設定。

前回は9桁のワードだったが、

今回は気合いを入れて15桁のワードを登録しました。

同時にPCとスマホの

メールアカウント設定のパスワードを打ち直す。

これで、メルアドの復旧は完了したはず。

祈るような気持ちで受信ボタンをクリックすると

ドカドカと未読メールがフォルダに飛び込んできた。ホッ。

復旧したメルアドの未読メールの中に、

昨日facebookから発行された

「6桁のコード」を明記したメールを発見。

これを使用してfacebookパスワードの再設定を開始。

こっちはメルアドのパスワードを越える

16桁のワードを登録。

こうして、昼前11:00頃に、

メルアドとfacebookのアカウント奪還に成功した。

免許証アップロードした意味全然無かったな・・・

などと感慨にに浸りつつも、本番はここから。

被害状況を確認するためmessengerを開くと

messengerで繋がっている友達75名中51名に

成りすましメールが送信されており、

その内の5名の「友達」が携帯電話番号を晒していた。

・・・・・胃が、イタい。

お腹をさすりながら、「乗っ取られてました。」と告知投稿。

続いてmessengerで個別に謝罪投稿。

程なく、個人情報を晒してしまった「友達」の

阿鼻叫喚メールが届く・・・。

本当に本当にご迷惑をお掛けしました。

実害が起こらないことを祈るしかありません。

こうして当事件は収束に向かったが、

奪還までに実に17時間も要してしまった。

手順さえ知っていれば30分で回復出来たはずである。

このブログを見ている皆さんにも、

同じようなコトが今日起こるかもしれません。

まずは単調なパスワードの場合、変更を検討しましょう。

そして大変ですがそれぞれに違うパスワードを与えることを

強くお勧めします。

長々と思いの丈を書き連ねましたが

これにてfacebook乗っ取られ事件に関する報告を終了致します。

ちなみにその日の夕方17:00に、

facebookコミュニティオペレーションズから

救済手順メールが届きました。

・・・・・おせーよ。


約1年振りの更新

随分とブログをほったらかしにしていたが、最後の書き込みから1年経っていたことに驚き、慌てて更新している。

「ちょっと忙しくて〜」などと言い訳したいところだが、本当のところは「突然飽きちゃった」んですよね。打てど響かぬ過疎ブログでしたがそれなりに楽しんでおりました。しかし、なぜか突然、ホントに突然、興味が0になってしまった。
キーボード打つのもイラスト描くのも面倒くさくなり、ギャラの発生しない行為がなんとも無駄に思えてきて自然消滅。最近ではHPを作っていたことすら忘れていました。
で、1ヶ月前に運営してくれている会社から年間運営費として請求書が来たときに「ハッ」と思い出し、このままでは勿体ないぞと重い腰を上げ、今こうして更新するに至ったわけです。まあ、奮起からこうして更新するまでこれまた1ヶ月かかってるんですけど。

で、この空白の1年の間で記事に出来そうなこと何かあるかな〜と考えたところ
新しいPC(Mac Pro[OS/SnowLeopard]からiMac[OS/ELCapitan]へ)を購入したことを思いだした。
アドビ関係のソフトをCS4からCCへと若返らせるための導入だったが、見積もりを出すと30万円チョイ超え。
一括で買えなくもなかったが、おりしも、日銀の異次元緩和とかナントかで金利がガクンと下がるというニュースを思いだし、お付き合いのある銀行に連絡した。
その後、割とすんなり審査が通り、印鑑証明やら納税証明やらの書類を集めて提出。
12回払いで融資契約となったが、借入金30万に対して、支払う金利が驚愕の2,910円だった・・・。役所で発行した証明書類の総額とあんまり変わらないってどういうこと?と思いつつ、お金借りるなら今なんだなと思いに耽ったわけであります。
さて、地方デザイナーはこれからより一層仕事が忙しくなる時期に入るので、次の更新がいつになるか分からないですが、せめて通算100話分まで頑張ってみます。0079


秋真っ盛り

ここ何日か朝方はひんやりとして涼しく
完全に秋を予感させる。

道行く学生の衣替えを見つつ
ふと感慨に更ける時、
いつも心に満ちてくる、ある思いがある。
人生で一番しんどいのは10代だった、と。

10代の頃、
「社会に出たらそんな甘い考えでは通用しない!」
と大人から散々脅かされた。
「こえ〜な社会!」と思いながら
気合い充分、万全の態勢を整え、
22歳で社会に出ると
なんかえらい緩い。で、思ったより楽。
甘あまじゃん!社会!

理不尽な先輩からのパワハラは無いし
定期テストで順列を付けられるコトも無いし
服装や髪型の規程といった特殊なルールも無い。

学校でどんなに良い成績を取っても
やりがいをほとんど感じなかった反面、
無理難題を押しつけられた仕事を
やりこなしたときの達成感・充実感は
すべての自分を満たしてくれる。

そして、これが一番重要な点だが
結構纏まったお金が手に入る。
学校で勉強して、成績を上げても
給料は出ないが
仕事を頑張ればお金が貰えるのだ。
まあ、当然なのだが。

僕は、中学生や高校生を見ると
実に楽しそうに学園生活を謳歌している
様に見えるが、社会人になったら
その10倍は楽しいんだよ〜と
言いはしないが強く思ってしまう。0078


S 級トラウマムービー「ふたりのイーダ」が上映された。

朝、地元新聞朝刊を読んでいると、
知る人ぞ知るカルト映画「ふたりのイーダ」を
1日だけ上映するというニュースが掲載されていた。
40歳以上の人でないと知ることはないだろうこの映画は、
僕にとっての超トラウマムービーで、
機会があればもう一度見たかった作品の一つだった。
過去には8月になるとテレビで放送されていたという情報が
ネットにあったが僕にその記憶はない。
多分、僕の住んでいる地方にはない局で放送してたのだろう。
なにせ子どもの頃、民放と言えば
日テレとTBSの2チャンネルしか無かったからね。
さらにこの映画、ソフト化されていないため
TSUTAYAで気軽にレンタルも出来ない。
もちろん配信サービスにもエントリーされてない。
ひょっとしてCSのマニアックなチャンネルで
放送されるかも知れないがスカパーと契約してないので
やはり見るチャンスはない。
朝刊地方欄に小さく載っていた情報に昂揚しつつ、
上映日程とカレンダーの予定をチェックした。
行ける!予定ナシ!

この「ふたりのイーダ」カンタンにあらすじを言うと、
椅子が(!)持ち主のイーダちゃんを歩いて探しに行くという
相当ファンタジックな話しだが、
テーマは原爆や戦争が絡んだ反戦映画なのだ。
なのだ!と言い切りはしたが、
実はこの情報はネットで拾ってきたモノで、
僕自身、断片的な記憶しか残っていない。
と言うのも、僕はこの映画を4歳ぐらいの時
父親と地元の映画館で観覧したのだが、
あまりの恐ろしさに泣き叫びながら途中退場してしまった。
映画に関する記憶は、椅子が「イナイ、イナイ・・」と
つぶやきながら動いているシーンと映画タイトルだけである。

ところで、今は少なくなっただろうが
僕らが小学生の頃は反戦映画や原爆映画を
授業の一環としてしょっちゅう見せられていた。
全校生徒が学校の体育館に集まって
えぐい描写の映像を見せられる精神的苦痛もさることながら、
2時間パイプ椅子で見せられる肉体的苦痛もあり、
体調を崩して保健室に運ばれていく児童は結構いた。
僕と言えば4歳で見た「ふたりのイーダ」で
戦争映画に対する免疫が出来てしまったのか、
苦痛に感じることはあまりなかったが、
「戦争はダメなことなんだ!」という意識を
子どもに植え付けようという大人の思惑とはうらはらに
僕にとって「戦争」は映画の中だけの作り物で
フィクションなんだという意識がついてしまった。
子どもをコントロールするって難しいんですね。

話しがそれた。

時は流れて「ふたりのイーダ」上映当日、
あんなに熱望していた鑑賞のチャンスを
なんだかんだでスルーしてしまった。
ちょっとバタバタしてまして!と言い訳したい所だが
寸前になって、やっぱ怖いなぁ・・・。という
4歳の記憶がよみがえってしまったのが本当の理由です。

次のチャンスを待つ!

0077


コンペの落とし穴

この3週間ほど
久しぶりにコンペの仕事を二つほどこなした。
一つは企画モノでCM・ポスター・リーフレット、
もう一つはイベント用で告知ポスター・チラシと
双方ともそこそこボリュームのある内容だ。
普通、コンペとなると「企画書」「見積もり」を提出して
「プレゼンテーション」となるが、
僕らグラフィックデザイナーが係わる仕事になると
先に述べた要素に加えて
「デザインラフ」を提出しなければならない。
こういった仕事は、僕の場合、広告代理店や
企画会社からの依頼がほとんどなので
「企画書・見積もり・プレゼン」はそちらに任せて
僕は「デザインラフ」の制作に集中することになる。
昔は、イメージに近いイラストとイメージに近い写真を
コラージュしてデザインラフ完成!でOKだったが
最近はかなりしっかり作り込まないと
勝てない流れになっている。
場合によってはカメラマンとモデルを
手配して撮影することもあれば
イラストレーターに発注して制作なんてこともある。
コンペなのに。

しかし、どんなにガッチリ作り込んだ
力作だったとしても負けるときは負ける。
落ちれば無給。0円なのだ。
過去に「デザイン気に入ってくれたんですが
金額で落とされました〜エヘヘ」など
制作サイドの落ち度じゃなくて
営業サイドの落ち度かよ!!ってことがあったが
これはほんとに報われない。
しかし、そんなことが無いように
金額も頑張って下げようモノなら、
勝っても地獄、負けたらもっと地獄という
スパイラルに落ちてしまう。

そういうことで、
ここ何年かコンペは受けないようにしていた。
面と向かって「コンペしません」では角が立つので
「今忙しいんで無理ですねえ」と受け流していたが
最近それがばれたらしく
「ホントはコンペしたくないんでしょ?」と
カマ掛けられるようになった。
リスキーなことをしない保守的なデザイナー
と思われたくない一心で
「そんなこと無いですよ!心外だなあ」
と言ってしまった結果
あれよあれよと2つのコンペに
巻き込まれてしまったわけだ。

結果は近々に発表されるが、
落選したら二度とコンペしません。

0076


病気と言って良いか分からない特有の症例

前回、右と左の判断が咄嗟に出来ないという
「左右盲」であることを告白したが
このような
それって病気なのか?病名があるのか?
そもそも病気って言って良いのか?
と思わせる症例はこの世に結構あるように思う。

僕の知り合いに7の絡む計算に
苦手意識を持っている人がいる。
例えば、6+5=は即座に11と出てくるが、
7+5=だと急に思考が止まってしまうらしい。
引き算でも同じで、10−7=はさすがに出来るらしいが、
20−7=とかはやはり思考停止するので
考えないようにするらしい。
それを聞いた時、かなりバカにしてしまったが
「左右が分からない人に言われたくない」と憤慨された。

また、水曜と木曜がしっかりと区別できないという人がいる。
特徴の無い曜日だし漢字のカタチも似ているので
意識としてはマナカナのようにニコイチになっているらしい。
その人にとっては、1週間が7日間という発想ではなく、
1週間は6日間で、48時間の日が一日あるというイメージなのだ。

つい先日、某代理店のディレクターと
打合せをしているとき
「イチゴを食べながら、
〝このトマト美味しいねえっ〟て
言っちゃったよ。
自分はイチゴって言ってるつもりなんだけど
トマトって何度も発声してたんだよね。
これって加齢からくるものかね?」
と報告された。
これも病名があるのか
よく分からない症例の一つだろう。
僕は
「あ〜そういうこと良くありますよね〜
あの現象の名前ってあるんでしょうかね?」
などと言ったが、その方からその話を聞いたのが
その時で3回目だったということは
なんとなく空気を読んで報告していない。

 

0075


左右盲

前回のはなしの続きで
左利きの弊害をもうひとつ。

うちの両親は
この利き腕を矯正しようと
小学校3年生のある日
「明日から鉛筆は右に持ちなさい」
と学校に送り出したが
1時間目の算数の小テストの最中に
「いけね、右で持たなきゃ」と
鉛筆を右に持ち替えたとたん
なぜか計算が出来なくなり
その日の小テストは
後半白紙で提出することになった。
帰宅後、そのことを母親に伝えると
かなり慌てた様子で
「明日からはまた左で
鉛筆を持ちなさい」
と言われ、僕のギッチョ矯正治療は
わずか1日で幕を閉じた。

あの頃もうちょっと我慢して
頑張っておけばと
悔やまれるが
今となってはあとの祭り。

で、矯正むなしく
左利きに落ち着いた僕は
次第に「左右盲」になった。

左右盲とは「左」「右」が
咄嗟に判断できない病気で、
左利きの人には多い症状だそうだ。

なぜ、左右が咄嗟に
判断できないというコトが
起こるかというと
人により様々らしいが
僕の場合は
「お茶碗を持つ方が左です」
「お箸を持つ方が右です」
と小学校で習ったことに
原因があるように思える。
この教え方では
僕にとっては真逆になってしまう。
しかし、幼少時に一度刷り込まれると
なかなか修正が効かない。
他の左右盲の方々も似たような幼少期を
経験しているのではないだろうか。

運転中「そこ、左折して」と指示されたとき、
普通は反射的に左にハンドルを切るのだろうが
僕の場合、両手の人差し指を伸ばし空中で文字を描き
スムーズに文字が描ける方が利き腕の左と判断し、
そっちの腕の方にハンドルを切る。
という実にまどろっこしいことをしている。

このやり方だと指示があって行動に移すまでに
どうしても1〜2秒のタイムラグが発生してしまう。
「1〜2秒なら大した弊害ないじゃん」
と思われるがそれがそうでもない。
高速のジャンクション50メートル手前で
「あ、そこ右ね」と突然言われても
多分、間に合わない。
「突き当たりを右、その先左、信号2つめを右」
と矢継ぎ早に言われると、
左右の判断が遅れ
脳内ですばやく地図が作れないので
絶対たどり着けない。
地味だが結構難儀な症状なのだ。

0074


左利きの不便さ

僕は、書くのも投げるのも蹴るのも
すべて左利きの、真性左ギッチョなのだが、
それを他人に気付かれたとき
「左利きの人って才能豊かなんですよね〜」
と言う人が、そこそこいる。
正直、ちょっとだけ嬉しくなるが
この「サウスポー天才説」は反論したい。

「サウスポー天才説」とは、
左利きは右脳が発達しているので
芸術や科学の世界において
才能を開花される人が多い。
ダヴィンチ、ベートーベン、ビルゲイツといった
天才たちはやはり左利きなのである。
と言う説だが、
僕は声を大にして言いたい。
今挙げた「左利きの天才」以外の天才は
すべからく右利きということを忘れてはいけない。

ダヴィンチは左利きだったかも知れないが
ピカソもゴッホも右利き。
シェイクスピアもアインシュタインも右利き(たぶん)。
そう考えると
左利きの天才よりも右利きの天才の方が
圧倒的に多いと思いません?
一般的に天才と言われる人を集めて
利き腕の比率を出し
それが人口における左利き比9%よりも多かった!
と言うのであれば信憑性もあるが
そういう統計的な話しは
これまで聞いたことがない。
多分、統計結果も左利き人口比と
同じくらいの9%程度なんだろう。

ところで
左利きは日常を生活する上で
ろくなコトがない。
一部のスポーツ以外はっきり言って不便だらけだ。
ドアノブ、自販機、ハサミ、
自動改札、書道・硬筆、英語の筆記体、
隣り合ったカウンターでの食事などなど、
不便さを挙げればきりがない。
右利きの方は、
ご自宅にある横に持ち手の伸びた急須を
左手を使ってお茶を入れてみて欲しい。
一瞬どうやってお茶を注いだらよいか
分からなくなるはずだ。

こんな日々の小さなストレスの
積み重ねが原因で
左利きの人は平均年齢が短いらしい。
僕らマイノリティーは日々の生活から
少しずつ、少しずつ、
削られているのだ。寿命を。

「少しぐらい持ち上げて
あげないとかわいそうだよ」
という心理が右利きの皆さまに
無意識のうちに働き、
その結果「サウスポー天才説」が
生まれているというのであれば
その優しさを甘んじて受け入れても
いい気がする。

0073


洋服の消費サイクル

パソコンに携帯で撮影した写真を
バックアップしている時
ふと、過去の写真を見ていたら
7年前の自分が
現在も現役で着ている
Tシャツを着ていてビックリした。

10代、20代の頃は、2年目のTシャツは
もう部屋着に降格していた気がするが・・・。
Tシャツの耐久性が高くなっているのか、
僕の物持ちが異常によくなっているのか。
とにかく洋服の消費サイクルが
異常に長くなっていることに
気付かされた。

ここ数年、衣類収納ボックスが
重くて引き出しにくかったのは
増えるばかりで捨ててないためだったか…。

ということで、
まだ着られるがちょっと古めの洋服を集めて
ごっそりリサイクルショップに
持ち込むことにした。

郊外のショップにて
スーツやコートなどの大物も含めた
大きめの手提げ紙バッグ3袋と共に
買取をお願いすると
「スーツの買取は行ってません」
と一部突き返された衣料もあったが
それでも3、000円ほどの臨時収入となった。
レシートの内訳を見ると
ブランドモノにそこそこの値段がついていたが
無名ブランドは10円とか20円とか
結構辛辣な金額だった。0072


親知らずを抜いた思ひで

歯科医で初めて歯石を取ったとき、
歯間がスッカスカになった感動が忘れられず
以来、年に一度ぐらいの頻度で
近所の歯科医で歯石を取るようにしている。
歯間がスカスカになると爽快感がある反面
繊維のある食べ物が
歯間にガッチリ挟み込まれるという
難点がある。
その為、歯間ブラシが手放せなくなった。

話しは変わって「親知らず」

今から24年ほど前の高校3年の頃、
急に親知らずが4本揃って
ニョキニョキと生えた。
そのせいで、そこそこ良かった歯並びが、
奥からギチギチに押されて
前歯が歪み始めた。
そのまま放って
ガチャ歯になりたくなかった僕は
地元の歯科医院に赴き
意を決して「4本引っこ抜いて下さい」
とお願いしたところ、
意外にも医者は渋い顔。
虫歯にもなってないし
痛みもないなら
そのままで良いんじゃない?
と、つれない態度で説明された。
とはいえ、このまま放置で
ガチャ歯は勘弁。
医者に食い下がると、
じゃあまず左の上下を抜いてみようか?
というコトになり、
部分麻酔をしっかり打って
左上あごの抜歯が始まった。

方法はペンチでつまんで
引き抜くという単純なモノだが
かなりの力仕事のようで、
引っ張っては看護婦と協議し
再び角度を変えて引っ張るという作業が
10分ほど続いた。
痛みはまったく無いが
ペンチで引っ張る度に
頭蓋骨がメリメリと軋む。
しばらくすると
ボロリと剥がれた感覚があり
「カラン」と抜いた歯が
トレーに捨てられる音が聞こえた。

続いては左下あごの抜歯。
2本目になると医者も要領を得たのか
こちらは比較的早めに引き抜かれた。
2本とも無事抜歯しました。
うがいをお願いします。と言うことで
身体を起こして、コップの水を含みつつ
トレーを横目で確認すると
2本の親知らずは
驚くことに
歯ぐきの「肉」をまとった状態で
引っこ抜かれていた。
イメージは骨付きカルビの
食べ終わった骨の部分に
食べきれなかった肉の部分が
残っている感じ。
マジかよ!!
と思いつつ凝視していたら
「しばらく痛みがあるので
痛み止め出しときますね」
と医者から軽く言われた。

麻酔が切れてからは
地獄の痛みが始まった。
親知らずと共に
歯ぐきもすこし持っていかれた訳だから
痛くないはずが無い。
そして、まだ抜くべき歯が
2本も残っているという事実に
暗澹とした。

結局それから3年ほど間を置いて
別の歯科医院で
残りの2本を抜歯した。
メスと縫合を使った抜歯だった為
歯ぐきが取れるような
ことも無く
以前ほどの引きずる痛みは無かった。
僕はその時初めて以前の治療が
とんでもなく乱暴な
治療方法だったことを知った。

で、後日談だが
最初に行った乱暴な歯科医院は、
しばらく後に
院長が空き巣容疑で
逮捕されたのを機に
廃業してしまいました。

0071